体を含む整域が体になること
September 21, 2020
主張
整域Rは体Fを含む. 線形空間としての次元dimFR<∞とする. このときRは体になる.
とくに有限個の元からなる整域は体になる.
証明
x∈Rを0でない元とする. このとき x∈R×であればよい.
ここで
1,x,x2,…,xdimFR
は一次従属となる. すなわち,
a0+a1x+⋯+adimFRxdimFR=0
であって, あるiが存在して, ai=0となる.
a0=0であれば,
−a0=x(a1+⋯+adimFRxdimFR−1)
となり, 主張が従う.
a0=0であれば
x(a1+⋯+adimFRxdimFR−1)=0
となりRが整域であったことから, x=0またはa1+⋯+adimFRxdimFR−1=0となる.
x=0でないとしたので, a1+⋯+adimFRxdimFR−1=0となるが,
a1に対しても同様の議論により, a1=0としてよい.
この繰りか えしはa0,…,ai−1=0,ai=0となるまでつづく.